シャローフェース と ディープフェース
ドライバーヘッドの形状はフェース高がシャローな(浅い)ものとディープな(深い)もので大きく二分されます。近年のドライバーのフェース高の平均は56mm前後で、54mm以下ならシャローフェース、58mm以上ならディープフェースと言われます。
現在市販されているほとんどのドライバーのヘッド容積は420〜460ccに収まります。このように容積にさほど差がないので、シャローフェースのドライバーならフェース面が小さい代わりに奥行きが長くなり、逆にディープフェースのドライバーは奥行きが短い形状となります。
一般的にはシャローフェースのドライバーは初心者〜中級者向け、ディープフェースのドライバーは中級者〜上級者向けと言われているのですが、今回はその理由を含めそれぞれの特性からどちらを選ぶべきか考えてみましょう。
1. 飛距離性能の違い
シャローフェースのドライバーは相対的に低重心になります。するとギア効果によってボールにかかるバックスピン量は少なくなりますが※、インパクトロフトが増すので打ち出し角度の高いボールが出やすくなります。いわゆる高弾道低スピンの弾道です。高いボールは滞空時間が長くなる為、キャリーが増え、結果的に飛距離も伸びやすくなります。
※たまに「低重心だとバックスピン量が多くなる」と書いているウェブサイトがありますが、それは誤りです。低重心だとバックスピン量は相対的に減ります。
初心者などのクラブをしっかりと振れていない人や力の弱い人はスイングスピードが速くありませんので、なるべく低重心のドライバーを使うことで飛距離不足を補えます。これがシャローフェースが初心者などに向いていると言われる一因です。
一方、ディープフェースのドライバーは相対的に高重心になります。するとギア効果によってバックスピン量は増えますが、インパクトロフトが減るので打ち出し角度が低い強いボールが出やすくなります。低いボールは滞空時間が短くなる為、キャリーが減り、結果的に飛距離が伸びにくくなります。
しかし、クラブをしっかり振れる上級者はヘッドスピードが相対的に速い為、低いボールでも十分な飛距離を出すことができます。それよりも風の影響を受けやすい高いボールを嫌う為、ディープフェースのドライバーを好んで使う傾向にあるのです。
シャローフェース : 高弾道・低スピンで飛距離が出やすい傾向
ディープフェース : 低弾道・高スピンで飛距離が伸びにくい傾向
ただ最近のドライバーはディープフェースでも低重心設計のものやシャローフェースでも高重心設計といったモデルもあります。従ってヘッドの形状だけでなく、重心高さなどの数値についても確認する方が良いでしょう。
2. 直進性の違い
シャローフェースのドライバーはヘッドの投影面積が大きくなるので、ヘッド左右慣性モーメントも大きくなり、直進性が高いと言えます。つまり、多少芯を外したボールを打ったとしても、ボールは真っ直ぐ飛んでくれるので、安定してフェアウェイに運ぶことを重視するプレイヤーやフェースコントロールが苦手な初心者にとって優しいクラブであると言えます。
一方、ディープフェースのドライバーはヘッドの投影面積が小さくなるので、ヘッド左右慣性モーメントも小さくなり、直進性は低いと言えます。しかしそれは裏を返せばボールを意図的に曲げやすいということになり、操作性が良いと言えます。ただしミスヒットした場合の曲げ幅も大きくなってしまうので、正確に芯をとらえられる技量が無いと難しいクラブになります。
シャローフェース : 直進性が高い
ディープフェース : 直進性が低い(操作性は良い)
ドライバーはまっすぐ飛ばすことが一番だと思われるかもしれませんが、ゴルフ場によっては真っ直ぐ打ってしまうと突き抜けてしまうドッグレッグや、フェアウェイの左右どちらかにボールを置かないとセカンドショットでグリーンを狙えないようなコースもあります。
特に80を下回るスコアを出そうとすれば、そういう場面でボールを曲げてコントロールしていくような積極的な攻めを求められます。そのようなレベルの上級者にとっては、直進性よりも操作性の方を重要視することは珍しくありません。
特に80を下回るスコアを出そうとすれば、そういう場面でボールを曲げてコントロールしていくような積極的な攻めを求められます。そのようなレベルの上級者にとっては、直進性よりも操作性の方を重要視することは珍しくありません。
以上、 シャローフェースか、ディープフェースか? / ドライバーの選び方でした!
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